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春になれば

雨が好きです。
雨音を聞いていると落ち着く自分がいます。


「もう雨はキライになった?」

私が結婚してしばらくしたとき、母がそうたずねてきたときがありました。

一緒に出かける人がいるのだから晴れのほうがいいでしょうよ、ということなのでしょう。

「いいや、ちっともキライにならないね」
筋金入りの出不精人間は力強く答えました。



やっぱり春へむかう雨がいちばん好きです。
ひっそりやさしくて、
しっとり次の季節が生まれようとしている感じが好きです。

遠い将来、私が天に召されるときは、
春が間近な頃の雨降る日がいいです。

やわらかな雨音をこめかみあたりに響かせながら
「いい人生だったよ」
と大切な人たちにつぶやいてからいきたいです。

「雨なんてそんなの家族や集まる人に迷惑!!」
うちの母に話すと、そうたしなめられたことがあります。
でも、ひそかに希望。


そんな母が雨の降る日に亡くなりました。
覚悟はしていたつもりでしたが、突然のことでした。

毎晩、孫の声が聞きたくて電話を掛けてきて、
「みんな元気?」
が第一声だったのがいつしか、
「元気よー」
と自分のことをまず言うようになっていた母。
元気だったのに。

前夜に運ばれた病院からの帰り。
車窓を流れる雨粒と車中を漂う雨音。
横たわる母。
動かない母。

通夜と告別式の日は、
雨も雪もおちることなく、春のようなおだやかさでした。
来てくれた人みんながびっくりするぐらいに。

さすが晴れ女。
これが人に迷惑をかけないってことだね、母さん。
私もそうするようにしたいよ。


春になれば、
あなたの好きだった花をながめます。

夏になれば、
プール帰りにつくってくれたドーナッツを思い出します。

秋になれば、
遠くはなれてもつないでくれた月を見上げます。

冬になれば、
私を産んでくれた雪の日に感謝します。


私の誕生日まで生きてくれたこと、
「しっかり生きなさい」のメッセージだよね。

いっしょに桜見たかったなー。


見せたかった

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